図解でわかる危険物取扱者講座

第3石油類

第3石油類の引火点は、70℃以上200℃未満です。

第3石油類とは、1気圧において引火点70℃以上200℃未満の引火性液体を指します。ただし、可燃性液体量が40%以下のものは除外されます。

とりわけ重要な物品は、重油になります。常温では引火しづらいですが、一度火が付くと燃焼温度が高いため、消火が難しいという点がポイントです。

また、甲種の試験を受ける方は、ニトロベンゼンが学術的にはニトロ化合物ですが、消防法上のニトロ化合物には含まれず、本項の第3石油類に属していることにも注目して下さい。

スポンサーリンク

それぞれの物品の特徴、火災予防の方法、消火の方法は次のようになります。

重油

重油とは、沸点が300℃以上の原油留分のことを指します。なお、留分(りゅうぶん)とは、液体混合物を蒸留し沸点別に得られる各成分のことをいいます。

原油は、蒸留によって重油の他、軽油や灯油、ガソリンなどに分離されます。

日本工業規格(JIS)では、重油を粘り(動粘度)の少ない順に、1種(A重油)2種(B重油)3種(C重油)の3種類に分類しています。不純物の多寡によって動粘度、引火点などに違いがあります。

重油の分類 引火点
1種(A重油) 60℃以上
2種(B重油) 60℃以上
3種(C重油) 70℃以上

A重油は不純物の少ないサラサラの液体で高価なのに対して、C重油は不純物の多いドロドロの液体で安価です。B重油はA重油とC重油の中間的な性質を持っています。

また、引火点が70℃以上でないものも含まれていますが、重油であれば第3石油類に分類されます。

特徴

  • 褐色(かっしょく)または暗褐色(あんかっしょく)である。
  • 引火点が高い(60~150℃)ので、引火の危険性は低い。
  • 霧状にすると、常温でも引火の危険性がある。(参考:燃焼の難易

霧状にすると引火しやすい

  • 燃焼時の発熱量が多く液温が高くなるため、消火が困難である。
  • 燃焼すると、有毒な亜硫酸ガス二酸化硫黄SO2)を発生する。(不純物として硫黄が含まれているため。)

二酸化硫黄

  • 臭気がある。
  • 水より軽い液比重が1より小さい。)。

重油は、水より軽い。

※第3石油類で水より軽いのは、重油のみ。

  • 水に溶けない。(非水溶性)

火災予防の方法

  • 蒸気を溜めないように、通風換気をよくする。
  • 分解重油の場合は、自然発火しないように注意する。

分解重油

熱分解してガソリンを取り出した後に残った残液から得られる重油のことです。

消火の方法

  • 泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物による窒息消火

スポンサーリンク

クレオソート油

クレオソート油(クレオソートゆ)は、コールタールを分留したときに得られる留出物のことです。石炭クレオソート工業用クレオソートともいいます。

線路の枕木といった木材用の防腐剤やカーボンブラックの原料、塗料などに使用されています。

線路の枕木

特徴

  • 黄色または暗緑色(あんりょくしょく)
  • 引火点が高い(73.9℃)ので、引火の危険性は低い。
  • 霧状にすると、常温でも引火の危険性がある。(参考:「燃焼の難易」)

霧状にすると引火しやすい

  • 発熱量が多いため、消火が困難である。
  • 臭気がある。
  • 有毒な蒸気を発生する。
  • 水より重い。(液比重が1より大きい。)
  • 水に溶けない。(非水溶性)

火災予防の方法

  • 蒸気を溜めないように、通風換気をよくする。

消火の方法

  • 泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物による窒息消火

ページのトップへ戻る

アニリン C6H5NH2

アニリン

アニリンは、フェニルアミンベンゼンアミンアミノベンゼンともいいます。染料や医薬品などの原料として用いられます。

特徴

  • 無色または淡黄色(たんこうしょく)である。
  • 引火点が高い(70℃)ので、引火の危険性は低い。
  • 特異臭がある。
  • 有毒な蒸気を発生する。
  • 水より重い。(液比重が1より大きい。)
  • 水に溶けにくい。(非水溶性)
  • 塩基性を示す。
  • 酸と激しく反応する。
  • さらし粉溶液を加えると、赤紫色(せきししょく)を呈する。

火災予防の方法

  • 蒸気を溜めないように、通風換気をよくする。

消火の方法

  • 泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物による窒息消火

ページのトップへ戻る

ニトロベンゼン C6H5NO2

ニトロベンゼン

ニトロベンゾールともいいます。アニリンの原料として有名な物質です。

ニトロ基(-NO2)を持っていますが、他のニトロ化合物とは違い爆発性は無いため、消防法上のニトロ化合物に属さず、第3石油類に属しています。

特徴

  • 淡黄色(たんこうしょく)または暗黄色(あんおうしょく)である。
  • 引火点が高い(88℃)ので、引火の危険性は低い。
  • 芳香がある。
  • 有毒な蒸気を発生する。
  • 芳香臭がある。
  • 水より重い。(液比重が1より大きい。)
  • 水に溶けにくい。(非水溶性)
  • 還元するとアニリンになる。

火災予防の方法

  • 蒸気を溜めないように、通風換気をよくする。

消火の方法

  • 泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物による窒息消火

ページのトップへ戻る

エチレングリコール C2H4(OH)2

エチレングリコール

ヒドロキシル基(-OH)が2個あるため、消防法上のアルコール類には含まれません。不凍液として用いられています。

特徴

  • 無色透明である。
  • 引火点が高い(111℃)ので、引火の危険性は低い。
  • 無臭である。
  • 甘味がある。
  • 水より重い。(液比重が1より大きい。)
  • 水によく溶ける。(水溶性)
  • 車の不凍液に用いられる。

火災予防の方法

  • 蒸気を溜めないように、通風換気をよくする。

消火の方法

  • 二酸化炭素、粉末による窒息消火

ページのトップへ戻る

グリセリン C3H5(OH)3

グリセリン

ヒドロキシル基(-OH)が3個あるため、消防法上のアルコール類には含まれません。ダイナマイトとして用いられるニトログリセリンの原料として使用されています。

特徴

  • 無色である。
  • 引火点が高い(177℃)ので、引火の危険性は低い。
  • 無臭である。
  • 吸湿性がある。
  • 水より重い。(液比重が1より大きい。)
  • 液比重が第4類危険物の中で最も大きい。(1.3)(二硫化炭素も同じ)
  • 水によく溶ける。(水溶性)
  • ダイナマイトの原料として用いられる。

火災予防の方法

  • 蒸気を溜めないように、通風換気をよくする。

消火の方法

スポンサーリンク

スポンサーリンク