ヒドロキシルアミン塩類
ヒドロキシルアミン塩類とは、ヒドロキシルアミンと酸との中和反応によって生じた塩のことです。
2000年に起きた群馬県の化学工場のヒドロキシルアミンの爆発事故がきっかけで、ヒドロキシルアミンと共に危険物として指定されました。
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それぞれの物質の特徴、火災予防の方法、消火の方法を見てみましょう。
硫酸ヒドロキシルアミン H2SO4・(NH2OH)2
ヒドロキシルアミンの硫酸塩です。
特徴
- 白色の結晶である。
- 水によく溶ける。(強酸性を示す。)
- アルコールにほとんど溶けない。
- 潮解性がある。
- 強い還元剤である。
- 蒸気は、眼や気道を強く刺激する。
- 大量に吸引すると、血液の酸素吸引力低下により死の危険性がある。
- 強い還元剤である。
- 火気、高温体に接触すると、爆発的に燃焼する。
- 加熱すると、有害な二酸化窒素、二酸化硫黄を発生する。
火災予防の方法
- 火気を避ける。
- 金属を腐食するため、ガラス容器などの金属以外の容器に貯蔵する。
- 密栓して乾燥状態を保つようにする。
- 冷暗所に保管する。
消火の方法
- 水による冷却消火を行う。保護メガネ、防護服、ゴム手袋、防じんマスクを着用する。
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塩酸ヒドロキシルアミン HCl・NH2OH
ヒドロキシルアミンの塩酸塩です。医薬品や農薬の製造などに用いられます。
特徴
- 白色の結晶である。
- 水に溶ける。(強酸性を示す。)
- メタノールにわずかに溶ける。
- エタノールにわずかに溶ける。
- 115℃以上に加熱すると、爆発の危険性がある。
- 蒸気は、眼や気道を強く刺激する。
- 大量に吸引すると、血液の酸素吸引力低下により死の危険性がある。
- 強い還元剤である。
- 火気、高温体に接触すると、爆発的に燃焼する。
火災予防の方法
- 火気を避ける。
- 金属を腐食するため、ガラス容器などの金属以外の容器に貯蔵する。
- 密栓して乾燥状態を保つようにする。
- 冷暗所に保管する。
消火の方法
- 水による冷却消火を行う。保護メガネ、防護服、ゴム手袋、防じんマスクを着用する。
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