図解でわかる危険物取扱者講座

有機過酸化物

有機過酸化物

有機過酸化物(ゆうき かさんかぶつ)とは、分子内に過酸化結合(-O-O-)を有する有機化合物のことです。

なお、甲種を受ける方は、第1類危険物の無機過酸化物についても比較しておくといいかもしれません。

それぞれの物品の特徴、火災予防の方法、消火の方法は次のようになります。

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過酸化ベンゾイル (C6H5CO)2O2

過酸化ベンゾイル

過酸化ベンゾイル(かさんかベンゾイル)は、BPOともいいます(英語でBenzoyl peroxideと言われるため、その略称)。ニキビの治療薬として用いられることがあります。乾燥すると爆発の危険性が高まるため、乾燥をさけて保存します。

特徴

  • 白色の粒状結晶である。
  • 水に溶けない。
  • 有機溶剤に溶ける。
  • 強力な酸化作用を呈する。
  • 加熱すると、100℃前後白煙を上げて激しく分解する。
  • 可燃性である。着火すると有毒黒煙を上げて燃焼する。
  • 強酸有機物との接触、またはによる分解により、爆発することがある。

火災予防の方法

  • 加熱、衝撃、摩擦を避ける。
  • 容器に密栓して保存する。
  • 直射日光を避ける。

直射日光を避ける!

  • 乾燥を避けて保存する。乾燥すると、爆発の危険性が高くなる。また、水とは反応しない。

消火の方法

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メチルエチルケトンパーオキサイド

メチルエチルケトンパーオキサイドは、メチルエチルケトン過酸化水素との反応生成物の総称のことを指します。メチルエチルケトンペルオキシドともいいます。

  • メチルエチルケトンパーオキサイドの例(構造式)
  • メチルエチルケトンパーオキサイドの例

上で示した物質は、メチルエチルケトンパーオキサイドの一例です。反応条件によって成分の割合が異なってきます。

プラスチックの硬化剤として用いられています。この物質の扱い方において、分解を促進しないように、容器を密栓しないで保存するところがポイントになります。

余談ですが、1964年に起こった品川勝島倉庫爆発火災(しながわ かつしま そうこ ばくはつ かさい)で被害を大きくした物質でもあります。この火災は、我が国の消防史上まれに見る大惨事として知られています。

特徴

  • 無色透明油状の液体である。
  • 特有の臭気がある。
  • 引火性がある。
  • 市販品はジメチルフタレートフタル酸ジメチル)で50~60%に希釈されている。(高純度のものは不安定なため。)
  • 水に溶けない。
  • ジエチルエーテルに溶ける。
  • 直射日光衝撃により、分解、発火する。
  • 40℃以上になると分解促進される。
  • ボロ布鉄さびと接触すると、30℃以下でも分解する。

火災予防の方法

  • 加熱、衝撃、摩擦を避ける。
  • 容器に密栓しないで、通気性を確保する。(内圧が上昇し分解が促進してしまうのを避けるため。)
  • 直射日光を避ける。

直射日光を避ける!

消火の方法

  • 水または泡による消火を行う。

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過酢酸 CH3COOOH

  • 過酢酸の構造式
  • 過酢酸

過酢酸(かさくさん)は、エタンペルオキソ酸ともいいます。英語でperacetic acidということから略してPAAとも呼ばれます。

消毒薬として用いられています。とりわけ、炭疽菌(たんそきん)に有効な消毒薬として知られています。

特徴

  • 無色の液体である。
  • 強い刺激臭がある。皮膚や粘膜に激しい刺激作用がある。
  • 引火性がある。
  • 市販品は不揮発性溶媒で40%に希釈されている。
  • 水やアルコール、エーテル、硫酸に溶ける。
  • 強い酸化作用がある。
  • 助燃作用がある。
  • 110℃に加熱すると、発火・爆発する。

火災予防の方法

  • 加熱を避ける。
  • 冷暗所に保存する。

消火の方法

  • 水または泡による消火を行う。

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