図解でわかる危険物取扱者講座

危険物とは① - 危険物の定義

火災を発生させやすい物質が危険物(消防法による定義)

みなさんは、「危険物」と聞いて何を想像しますか。

わたしたちが今から学ぶのは「消防法定義された危険物」です。

消防法では、「火災を発生させる危険性の高い物質」が危険物として指定されています。

消防法上の危険物は、どんな性質を持っているのか、どの様に定義されているのか確認していきましょう。

スポンサーリンク

可燃物と支燃物

可燃物と支燃物

危険物には、可燃物支燃物があります。どちらも火災に重大な影響を与える物質です。

可燃物

可燃物(かねんぶつ)は、燃えやすい物質のことです。ガソリン灯油軽油重油等のような引火性の高い物質やニトログリセリントリニトロトルエンのような爆弾の材料となる物質などがあります。

支燃物

支燃物(しねんぶつ)は、不燃性ではあるが、酸素供給源として働き、可燃物の燃焼を促進させる物質のことです。例えば、硝酸などがあります。

ページのトップへ戻る

消防法

消防法(しょうぼうほう)は、火災の予防・警戒・鎮圧による生命・身体・財産の保護・被害軽減を目的として定められた法律です。

要は、火災から生命や財産を守るための法律です。

危険物は、消防法の条文(消防法第2条第7項)で、次の様に定義されています。

消防法別表の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ、同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいう。

法律特有の文章で分かりづらいですが、詳しく見ていきましょう。

ちなみに、消防法第2条第7項の文章は試験でよく出てくるので、そのまま覚えておきましょう。

スポンサーリンク

消防法別表

条文に出てくる消防法別表(しょうぼうほう べっぴょう)とは下の表のことです。少し長いですが、ざっと眺めていきましょう。

消防法別表
類別 性質 品名
第1類 酸化性固体 1 塩素酸塩類
2 過塩素酸塩類
3 無機過酸化物
4 亜塩素酸塩類
5 臭素酸塩類
6 硝酸塩類
7 よう素酸塩類
8 過マンガン酸塩類
9 重クロム酸塩類
10 その他のもので政令で定めるもの
11 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
第2類 可燃性固体 1 硫化りん
2 赤りん
3 硫黄
4 鉄粉
5 金属粉
6 マグネシウム
7 その他のもので政令で定めるもの
8 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
9 引火性固体
第3類 自然発火性物質
および
禁水性物質
1 カリウム
2 ナトリウム
3 アルキルアルミニウム
4 アルキルリチウム
5 黄りん
6 アルカリ金属およびアルカリ土類金属
7 有機金属化合物
8 金属の水素化物
9 金属のりん化物
10 カルシウムまたはアルミニウムの炭化物
11 その他のもので政令で定めるもの
12 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
第4類 引火性液体 1 特殊引火物
2 第1石油類
3 アルコール類
4 第2石油類
5 第3石油類
6 第4石油類
7 動植物油類
第5類 自己反応性物質 1 有機過酸化物
2 硝酸エステル類
3 ニトロ化合物
4 ニトロソ化合物
5 アゾ化合物
6 ジアゾ化合物
7 ヒドラジンの誘導体
8 ヒドロキシルアミン
9 ヒドロキシルアミン塩類
10 その他のもので政令で定めるもの
11 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
第6類 酸化性液体 1 過塩素酸
2 過酸化水素
3 硝酸
4 その他のもので政令で定めるもの
5 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの

そして、条文中の「同表に定める区分に応じ、同表の性質欄に掲げる性状を有するもの」とは、「消防法別表の品名の欄に示されている物質で、性質の欄に書いてある性質を持っているもの」という意味になります。

消防法における危険物の定義

といっても、性質欄に記載されている「酸化性固体」や「引火性液体」、これだけではイメージがわかないですよね。

それぞれの特徴については、次のページで見ていきましょう。

スポンサーリンク