圧力について
まずは、圧力を学ぶ上で、重要となる「力」の概念について説明しましょう。
物理学における「力」とは、「物体の運動の状態や形を変化させる働きのこと」をいいます。単位はN(ニュートン)を用います。
1Nとは、約100gの物体にはたらく重力の大きさと等しくなります。
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圧力
さて、本題の「圧力」についてですが、単位面積あたりに働く力のことをいいます。記号は\(P\)、単位はPa(パスカル)を用います。
1m2の面積にに1Nの力がはたらくとき、これを1Paと定義しています。(PaはN/m2と等しい単位です。)
大気圧
大気圧とは、大気の質量によって生じる圧力のことです。
単位は、hPa(ヘクトパスカル)を用います。h(ヘクト)とは、100を意味し、1hPaは100Paと等しくなります。
大気圧の大きさは、海面では1013.25hPaで、高い所ほど大気の層が薄くなるので大気圧は小さくなります。この海面上の大気圧(1013.25hPa)を1気圧もしくは1atm(アトム)といいます。
余談ですが、大気圧は10m上昇するごとに1hPa減少すると言われています。日本一高い山である富士山の山頂では、海面の3分の2程(約0.7気圧)になります。
また、世界一高い山として知られているエベレスト山の山頂では、海面の3分の1程(約0.3気圧)になります。
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1気圧の様々な記載方法
大気圧は、様々な単位で表現されることがあるので、ここで整理しておきます。
1気圧(または1atm)
海面上の大気圧の値を1気圧(または1atm)といいます。atmは「アトム」と読みます。
1013.25hPa
1気圧(1atm)は、1013.25hPa(ヘクト パスカル)と等しいと定義されています。1013.25hPaという数値は、地球の海面上の大気圧の平均値を表しています。
同じ海面上であっても上昇気流の発生による気圧の低下など常に気圧は変化しています。低気圧、高気圧の影響を加味して平均値1013.25hPaという数値を算出しています。
1.033kgf/cm2
1気圧(1atm)は、1cm2につき1.033kgfの重さがかかる圧力と等しくなります。kgfは「重量キログラム」または「キログラム重」と読み、1kgf = 9.8Nとなります。
水銀柱760mm
1気圧(1atm)は、底面積1cm2で高さ760mmの水銀の重さと等しくなります。水銀柱は「すいぎんちゅう」と読みます。
760mmHg(ミリメートル エイチジー)や760水銀柱ミリメートルと記載されることもあります。
水柱10.33m
1気圧(1atm)は、底面積1cm2で高さ10.33mの水の重さと等しくなります。水柱は「すいちゅう」と読みます。
このことから、水中では約10m(正確には10.33m)潜るごとに1気圧ずつ水圧が上昇していくことがわかります。世界で最も深いマリアナ海溝(水深 約10000m)では、約1000気圧にもなります。
また、「約10mより深い井戸から水を直接吸い上げることはできない」もしくは、「ストローで約10m以上の高さに水を吸い上げることはできない」という話を聞いたことがあるでしょうか。
これは、大気圧(1気圧)が押し上げられる水の高さが10.33mであるためです。
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