よくある質問
危険物取扱者試験って何だろう?
そんな疑問に甲種危険物取扱者の有資格者がお答えします。
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- 危険物取扱者って どんな資格なの?
- 危険物 乙4って何?
- 有利な就職先は?
- 受験資格は必要なの?
- 試験内容と合格基準は?
- 危険物取扱者の合格率は?
- 危険物 乙4の合格率が低い理由は?
- どの資格を受ければいいんだろう?
- 危険物 乙4の次は何を取ればいい?
- おすすめの参考書は?
- 過去問は入手できるの?
- 費用(受験料)はどれくらい?
- 試験日はいつ?
- 願書を手に入れるには?
- 履歴書に書けるの?
- 合格の最年少記録は?
危険物取扱者って どんな資格なの?
危険物取扱者とは、「危険物」を取り扱うのに必要な国家資格です。
消防法では、火災の危険性の高い物質を「危険物」として指定しています。
資格は大きく分けて3種類
資格は3種類あり、甲種(こうしゅ)、乙種(おつしゅ)、丙種(へいしゅ)に分けられ、それぞれ扱える物品が異なります。
より詳しい内容は、次のページを確認してみてください。
乙4が一番人気
この内、最も人気のあるのが乙種第4類です。乙4(おつよん)と通称されることも多いです。
乙4の人気の高さは、扱う危険物の種類によるものです。
乙4の試験勉強で学ぶ第4類危険物は、危険物全体の約80%を占めるといわれています。
また、ガソリン、軽油、灯油など身近な危険物を取り扱うことができるようになるため、多くの職場で活躍することができることも人気の理由です。
実に、危険物取扱者試験の約60%が乙4を受験しています。
危険物 乙4って何?
危険物 乙4の正式名称は、乙種第4類危険物取扱者です。
この資格を取れば、消防法で第4類危険物に指定されている引火性液体を扱うことができるようになります。
引火性液体には、ガソリンや灯油、軽油、重油などが含まれています。
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危険物取扱者を取ると有利な就職先は?
危険物というとガソリンスタンドのイメージが強いかもしれませんが、活用できる分野は広範囲にわたります。
化学メーカーや研究所、消防士など幅広い仕事で資格を活かすことができます。
ガソリンスタンド
ガソリンをはじめとする引火性液体の知識が役に立ちます。また、乙4を持っているとアルバイトで時給が上がる可能性があります。
なお、ガソリンスタンドには危険物保安監督者を選任しなければなりません。
ちなみに、セルフスタンドでは無人に見えますが事務所内から危険物取扱者がモニターで遠隔監視をしています。これにより有資格者の立会いの下で危険物を取り扱っていることになります。
タンクローリーの運転手
タンクローリーで危険物の移送する際に危険物取扱者の同乗が必要です。乙4を持っていることを要求される場合が多いようです。
石油メーカー
- 石油コンビナート
- 石油精製工場
大量の引火性液体を取り扱う必要があります。
化学メーカー
- 化学工場
- 半導体工場
- 金属精錬工場
- めっき工場
- 塗料工場
- 印刷工場
技術職や研究職の方は、甲種を持っていることが必須の会社もあるかと思います。メーカー勤務で薬品を扱う仕事をしているのなら、初めて狙う資格として最適です。
また、マネジメント職の方は、工場全体の危険物を管理する上でも甲種が必要とされます。
食品工場
動物油や植物油を扱う上で動植物油類の知識が必要とされます。
研究所
アセトンやトルエンなど有機溶媒や硝酸などの試薬といった多くの薬品が危険物に指定されています。
これらの物品を取扱う場合や管理をする場合に、危険物の知識が必要とされます。
消防士
様々な火災を消火する上で危険物や燃焼理論、消火剤の知識は重宝するでしょう。
その他
- 危険物貯蔵倉庫会社
- 塗料店
受験資格は必要なの?
乙種と丙種は、年齢学歴等の制約はなく、どなたでも受験できます。小学生でも受験資格があります。
しかし、甲種には、必要とされる資格があります。
甲種の受験資格
下の5つの条件の内、1つ以上を満たす必要があります。
- 大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者
- 大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
- 乙種危険物取扱者免状交付後、2年以上の実務経験を有する者
- 次の4種類以上の乙種危険物取扱者の免状を有する者
①第1類または第6類、②第2類または第4類、③第3類、④第5類 - 修士、博士の学位を授与された者で、化学に関する事項を専攻した者
わかりやすく言いかえると…
- 化学系の大学を卒業
- 大学で化学系の単位を15個以上取得
- 乙1、2、3、4、5、6のいずれかを取得し、2年以上の実務経験
- 乙1または乙6、乙2または乙4、乙3、乙5の4つの試験を合格
- 修士や博士で化学系を専攻
より詳細な情報は、消防試験研究センターの受験資格のページを参照ください。
試験内容と合格基準は?
甲種、乙種及び丙種ともに3つの試験科目がそれぞれ60%以上正解で合格となります。すなわち、3科目中1科目でも60%未満であれば不合格となります。
甲種危険物取扱者
テストは、5つの選択肢の中から正解を1つ選ぶマークシート方式です。試験時間は2時間30分です。
試験科目 | 問題数 |
---|---|
危険物に関する法令 | 15問 |
物理学及び化学 | 10問 |
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 | 20問 |
乙種危険物取扱者
テストは、5つの選択肢の中から正解を1つ選ぶマークシート方式です。試験時間は2時間です。
試験科目 | 問題数 |
---|---|
危険物に関する法令 | 15問 |
基礎的な物理学及び基礎的な化学 | 10問 |
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 | 10問 |
丙種危険物取扱者
テストは、4つの選択肢の中から正解を1つ選ぶマークシート方式です。試験時間は1時間15分です。
試験科目 | 問題数 |
---|---|
危険物に関する法令 | 10問 |
燃焼及び消火に関する基礎知識 | 5問 |
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 | 10問 |
危険物取扱者の合格率は?
乙4の合格率
乙4(乙種第4類危険物取扱者)の合格率は、約30%です。
乙1、2、3、5、6の合格率
合格率は、約60%です。
甲種の合格率
甲種の合格率は、約30%です。
危険物 乙4の合格率が低い理由は?
乙4の合格率は約30%であり、乙1、2、3、5、6の合格率の約60%と比べて合格率が低くなっています。
これには、次の様な理由があります。
受験者が多いため
会社や工業高校で強制的に受験を課せられている方が多く学習意欲に差があるためです。1年間の受験者数は、乙4が約13万人であるのに対して、乙1、2、3、5、6はそれぞれ7000~8000人です。
科目免除のため
乙1、2、3、5、6の受験者は、乙4の合格者が多く、「法令」と「物理学と化学」の科目が免除されているため、乙1、2、3、5、6の合格率は上がりやすくなります。
どの資格を受ければいいんだろう?
初めての方は、乙4がおすすめ
初めて危険物取扱者試験を受けるという方は、一番人気の「乙種第4類危険物取扱者(乙4)」を目指すのがおすすめです。
乙4が難しい方は、丙種から
乙4の参考書を見てみてちょっと難しいなという方は、まず、「丙種危険物取扱者」の取得を目指しましょう。
受験資格のある方は、甲種も視野に
受験資格のある方は、一足飛びに「甲種」を狙ってみてはどうでしょうか。
特に、化学系の大学出身の方は、甲種を挑戦してみてください。会社からも甲種受験を要求される場合が多いかと思います。
危険物 乙4の次は何を取ればいい?
乙4を取ったら、次は「他の乙種」を受けてみてください。
甲種を視野に入れている場合は、「第4類」に加え、「第1類または第6類」、「第3類」、「第5類」を取得する必要があります。
第3類と第5類は必須ですので、問題は、「第1類を受けるか」、「第6類を受けるか」だと思います。
第6類の方が物品数が少ないため、覚えるのが楽かと思います。
甲種を受ける場合は、結局、第1類の物品を覚えることになりますが…。
おすすめは…
あくまで私の主観ですが、覚えやすさ(難易度)で受験の順番を決めるとしたら…
- 第6類…覚える物品が少ない
- 第3類…高校化学で馴染み深い物品が多い
- 第5類…やや馴染みの無い物品が多い
- 甲種…危険物のすべてをマスター
…の順番ではないでしょうか。
甲種へのロードマップ
甲種合格へのロードマップの一例を示しました。参考にしてみてください。
おすすめの参考書は?
「おすすめ参考書&問題集」のページでレビューしましたので、参考にしてみてください。
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過去問は入手できるの?
過去問は、消防試験研究センターのホームページで入手できます。ただし、公開されているのは出題された問題の一部にすぎないので注意してください。
費用(受験料)はどれくらい?
受験料は、資格の種類によって異なります。
また、乙種を複数受験する場合は、受験する分の受験料が必要になります。
種類 | 受験料 |
---|---|
甲種 | 5,000円 |
乙種 | 3,400円 |
丙種 | 2,700円 |
試験日はいつ?
試験日は、全国一律ではなく都道府県によってまちまちです。
東京であれば毎月試験ができますが、多くの県では年に2~3回程度です。
消防試験研究センターのホームページで詳細をご確認ください。
試験日程のページは「4~9月」と「10~3月」に分かれています。受験したい日程にあわせてご覧ください
試験日程(4~9月)
試験日程(10~3月)
受験の手続きをするには?
①Web申請する方法と、②願書を入手して申請する方法の2種類があります。
願書は、消防署もしくは(財)消防試験研究センターの中央試験センターか各支部で入手できます。
インターネットでのお申込みがお手軽
Web申請なら消防署に願書をもらいに行く手間を省くことができます。
下記のサイトから申請することができます。
受験票を確認しよう
受験票は、願書が受理された後、試験日の10日前までに送られてきます。届かない場合は、(財)消防試験研究センターに確認してみましょう。
履歴書に書けるの?
試験に合格すれば、危険物取扱者を取得したことを履歴書に書くことができます。就職や転職のときにはアピールになるでしょう。
それぞれの資格と対応する書き方は次の様になります。
- 乙4のとき…乙種第4類危険物取扱者免状 取得
- 甲種のとき…甲種危険物取扱者免状 取得
- 乙1のとき…乙種第1類危険物取扱者免状 取得
- 乙2のとき…乙種第2類危険物取扱者免状 取得
- 乙3のとき…乙種第3類危険物取扱者免状 取得
- 乙5のとき…乙種第5類危険物取扱者免状 取得
- 乙6のとき…乙種第6類危険物取扱者免状 取得
- 丙種のとき…丙種危険物取扱者免状 取得
合格の最年少記録は?
乙類全類
乙類全類の最年少合格者としては、小学2年生男児(7歳)の例があります。(2012年10月)
甲種
甲種では、小学2年生(8歳)の例があります(2012年12月に受験)。
なお、乙類全類と甲種の最年少合格者は同一人物です。スゴイですね。