オームの法則とジュールの法則
電気は、危険物の火災に直結することがあります。まずは、電気に関する基本的な概念と法則を学んでいきましょう。
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電荷
電荷(でんか)とは、電気の元となる成分のことをいいます。また、電荷の量を電気量(でんきりょう)といい、記号は\(Q\)(quantity of electricityのQ)、単位はC(クーロン)を使用します。
正の電荷を正電荷(せいでんか)、負の電荷を負電荷(ふでんか)といいます。
正電荷を持つ粒子の例としては陽子が、負電荷を持つ粒子の例としては電子が挙げられます。
電気素量
正・負の電気量の最小値を電気素量(でんきそりょう)または素電荷(そでんか)と呼びます。記号は\(e\)を使用します。電子1個または陽子1個の電気量の絶対値で表され、その数値は、\(e = 約1.6×10^{ -19 }\)[C]になります。
荷電粒子
電荷を帯びた粒子のことを荷電粒子(かでんりゅうし)といいます。例えば、電子や陽子、イオンがそれに当たります。
点電荷
点電荷(てんでんか)とは、荷電粒子を大きさ(体積)のない点状の物体として見なしたもののことです。
静電気と電流
電荷によって引き起こされる物理現象は、電荷が動いているか否かによって大別されます。すなわち、静止状態の電荷によって生じる静電気、動いている電荷によって生じる電流です。
電流
荷電粒子の移動によって生じる電荷の流れのことを電流(でんりゅう)といいます。記号は\(I\)、単位はA(アンペア)を使用します。単位時間あたりに流れる電気量で表されます。
1Aは、1秒間に1Cの電気量が流れることを表します。電流\(I\)[A]、電気量\(Q\)[C]、時間\(t\)[s]を使って式で示すと、次の様になります。
$$I = \frac{Q}{t}$$
以上より、AはC/sと表すこともできることがわかります。
電流の向きに注意!
電流は、正電荷の流れる向きを正(プラス)としています。
電流が引き起こす物理現象は、落雷やオーロラなどの自然現象、電気製品、動物の筋肉を動かす神経など様々なところで見られます。
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電圧
電流を流すのに必要な電気的な圧力を電圧(でんあつ)といいます。記号は\(E\)(Electric pressureのE)または\(V\)(VoltageのV)、単位はV(ボルト)を用います。
ちなみに、日常よく使っている電池は、電圧を引き起こす装置です。
抵抗(電気抵抗)
電気の流れにくさを電気抵抗(または抵抗)といいます。記号は、\(R\)(electrical ResistanceのR)、単位はΩ(オーム)を用います。
導体と不導体
電気の流れやすい物質を導体(どうたい)、電気の流しにくい物質を不導体(ふどうたい)または絶縁体(ぜつえんたい)といいます。
導体の例としては金属が、不導体の例としてはプラスチックが挙げられます。
次に電気に関する2つの法則を学びましょう。
オームの法則
オームの法則とは、電流は、電圧に比例し電気抵抗に反比例するという法則です。
電流\(I\)[A]、電圧\(E\)[V]、電気抵抗\(R\)[Ω]を用いると、次の様に表すことができます。
$$I = \frac{E}{R}$$
式変形した下の様な表記で表すことも多いです。
$$E = IR$$
ジュールの法則
電気抵抗のある導体に電流を流した時に発生する熱をジュール熱といいます。
ジュールの法則とは、ジュール熱の発生量が電圧と電流と時間に比例するという法則です。
ジュール熱\(Q\)[J]、電圧\(E\)[V]、電流\(I\)[A]、電流を流した時間\(t\)[s]を使って表すと次の様になります。
$$Q = EIt$$
電流が一定のときと電圧が一定のときについても見てみましょう。
電流が一定のとき
電圧\(E\)の2乗と時間\(t\)に比例し、電気抵抗\(R\)に反比例します。
$$Q = \frac{E^2}{R}t$$
電圧が一定のとき
電流\(I\)の2乗と電気抵抗\(R\)と時間\(t\)に比例します。
$$Q = I^2R t$$
ちなみに、ジュール熱は、身近なところでも使われています。例えば、白熱電球、電気ストーブ、電気こたつ、アイロン、ハンダゴテなどが、その例です。
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