図解でわかる危険物取扱者講座

重クロム酸塩類

重クロム酸塩類(じゅうクロムさんえんるい)とは、重クロム酸(H2Cr2O7)の水素を金属や他の陽イオンで置換した化合物のことです。

化学式ではM2Cr2O7(Mは金属または他の陽イオン)と表すことができます。

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それぞれの物品の特徴、火災予防の方法、消火の方法は次のようになります。

重クロム酸カリウム(二クロム酸カリウム) K2Cr2O7

カリウムの重クロム酸塩(重クロム酸のカリウム塩)です。

二クロム酸カリウムともいいます。余談ですが、二クロム酸カリウムの「二」は漢数字の二です。(カタカナのニではありません。)

六価クロム(クロムの酸化数が+6)であり、環境負荷物質として知られています。欧米では、COD(化学的酸素要求量)を測定する際の酸化剤として使用されています。ちなみに、日本では、過マンガン酸カリウムが使用されています。

特徴

  • 橙赤色(とうせきしょく)の結晶である。
  • 水より重い。(比重2.69)
  • 水に溶ける。
  • 500℃以上で分解し、酸素を発生する。

重クロム酸カリウムは500℃以上で分解する。

  • 強力な酸化剤である。
  • 有毒である。

火災予防の方法

  • 加熱、衝撃、摩擦を避ける。
  • 密栓して保存する。

消火の方法

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重クロム酸アンモニウム(二クロム酸アンモニウム) (NH4)2Cr2O7

アンモニアの重クロム酸塩(重クロム酸のアンモニウム塩)です。

二クロム酸アンモニウムともいいます。

擬似火山噴火の実験に用いられることがあります。上で述べた重クロム酸カリウムと同じく6価クロム化合物です。

特徴

  • 橙黄色(とうおうしょく)の結晶である。
  • 水より重い。(比重2.2)
  • 水に溶ける。
  • エタノールによく溶ける。
  • 加熱すると、窒素を発生する。
  • 185℃で分解し、酸素を発生する。

重クロム酸アンモニウムを加熱したときの反応

火災予防の方法

  • 加熱を避ける。
  • 密栓して冷暗所に保存する。

消火の方法

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