図解でわかる危険物取扱者講座

第4石油類

第4石油類の引火点は、200℃以上250℃未満です。

第4石油類とは、1気圧において引火点200℃以上250℃未満の引火性液体を指します。ちなみに250℃以上の物品は、指定可燃物として市町村の条例で規制されます。

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揮発性がほとんどないため、加熱しなければ引火しにくいですが、霧状にすると、引火点以下の液温でも引火の危険性があります。

霧状にすると引火しやすい

発熱量が多いため消火が困難です。また、消火時に水をかけると水蒸気爆発を起こす危険性があります。

第4石油類の物品には、大きく分けて潤滑油可塑剤があります。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

潤滑油

潤滑油(じゅんかつゆ)は、摩擦熱や摩耗を低減するために用いられる油です。

潤滑油

主な物品は、次の通りです。

シリンダー油

シリンダー油(シリンダーゆ)とは、シリンダーに使用される潤滑油のことです。

タービン油

タービン油(タービンゆ)とは、タービンに使用される潤滑油のことです。水力タービンや蒸気タービンなどの軸受に利用されます。

タービン

モーター油

モーター油(モーターゆ)とは、ガソリンエンジンに使用される潤滑油のことです。モーターオイルモビール油エンジンオイルともいいます。

エンジン

ギヤー油

ギヤー油(ギアーゆ)とは、歯車に使用される潤滑油のことです。

歯車

冷凍機油

冷凍機油(れいとうきゆ)とは、冷凍装置や空調機器のコンプレッサーに使用される潤滑油のことです。

電気絶縁油

電気絶縁油(でんきぜつえんゆ)とは、電気機器の絶縁材料に使用される潤滑油のことです。コンデンサーやケーブル、変圧器などに利用されています。

コンデンサー

マシン油

マシン油(マシンゆ)とは、機械に使用される潤滑油のことです。機械油(きかいあぶら)ともいいます。機械の軸受(ベアリング)や車軸などに利用されます。

軸受(ベアリング)

切削油

切削油(せっさくゆ)とは、切削加工で使用される冷却用の潤滑油のことです。

切削加工に使用する工具

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可塑剤

可塑剤(かそざい)は、プラスチックに柔軟性を与えるために添加する物質です。

可塑剤は、プラスチックに柔軟性を与えます。

主な物品は、次の通りです。

りん酸トリクレジル

りん酸トリクレジルは、りん酸トリクレシル、または略号でTCPともいいます。ポリ塩化ビニルの可塑剤として使用されます。

フタル酸ジオクチル

フタル酸ジオクチルは、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、または略号でDEHPともいいます。ポリ塩化ビニルの可塑剤として使用されます。

フタル酸ジオクチル

共通の性質

第4石油類の共通の特徴、火災予防の方法、消火の方法は次のようになります。

特徴

  • 引火点が高い。(200℃以上)
  • 大部分が水より軽い。(液比重が1より小さい。)(りん酸トリクレジルは水より重い。)
  • 水に溶けない。(非水溶性)
第4石油類 引火点
潤滑油 シリンダー油 250℃
タービン油 230℃
モーター油(エンジンオイル) 230℃
ギヤー油 220℃
マシン油(機械油) 200℃
可塑剤 りん酸トリクレジル 225℃
フタル酸ジオクチル 206℃

火災予防の方法

  • 蒸気を溜めないように、通風換気をよくする。

消火の方法

  • 泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物による窒息消火

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