図解でわかる危険物取扱者講座

純物質と混合物の違い - 物質の分類

物質の分類

化学を学ぶ上で、まずは物質の種類を確認していきましょう。

物質は、大きく分けて1種類の物質から構成される純物質と2種類以上の純物質から成る混合物に分かれます。純物質は、さらに単体化合物に分類されます。

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それぞれの物質の詳細については、以下の通りです。

純物質

純物質(じゅんぶっしつ)とは、1種類の成分からできている物質をいいます。純物質には、単体化合物があります。

単体

単体(たんたい)とは、1種類の元素のみからできている物質のことをいいます。

分子をつくらない物質の例としては金(Au)や銀(Ag)、銅(Cu)、鉄(Fe)などがあります。

銅

また、二原子分子の例としては水素(H2)、酸素(O2)、窒素(N2)などがあります。

水素分子

同素体

同素体(どうそたい)とは、同じ元素からなるが、性質が異なる単体のことをいいます。原子の配列や結合方式が異なるため性質が異なっています。

同素体の例として、硫黄(S)、炭素(C)、酸素(O)、りん(P)について確認していきましょう。これらは、「同素体はSCOP(スコップ)」とゴロ合わせで覚えておくといいでしょう。

硫黄の同素体

硫黄(S)の同素体には、斜方硫黄(しゃほういおう)(S8)、単斜硫黄(たんしゃいおう)(S8)、ゴム状硫黄(Sn)があります。ちなみに、硫黄は第2類危険物(可燃性固体)に指定されています。

左は斜方硫黄または単斜硫黄、右はゴム状硫黄

炭素の同素体

炭素(C)の同素体には、ダイヤモンド黒鉛フラーレンなどがあります。

左からダイアモンド、黒鉛、フラーレン

ダイヤモンドや黒鉛はともに炭素(C)から出来ていますが、ダイヤモンドは無色透明で非常に硬いのに対して、黒鉛は黒色で軟らかい性質を持ちます。

ダイアモンド(左)と黒鉛(右)

酸素の同素体

酸素(O)の同素体には、酸素(O2)、オゾン(O3)があります。

酸素(左)とオゾン(右)

りんの同素体

りん(P)の同素体には、赤りん黄りんがあります。赤りんは第2類危険物、黄りんは第3類危険物に指定されています。

赤りん(左)、黄りん(右)

化合物

化合物(かごうぶつ)とは、2種類以上の元素からできている物質をいいます。化合物は、炭素の有無によって有機化合物と無機化合物に分類されます。

化合物の例をいくつか挙げていきましょう。

水(H2O)は、水素(H)と酸素(O)からなる物質です。

水

また、塩化ナトリウム(NaCl)は、ナトリウム(Na)と塩素(Cl)から構成されています。

塩化ナトリウム

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混合物

混合物(こんごうぶつ)とは、2種類以上の純物質が単に混ざり合ったもののことをいいます。

いくつか例を挙げておきましょう。例えば、海水は、水(H2O)に塩化ナトリウム(NaCl)や塩化マグネシウム(MgCl2)などが混ざったものです。

海

また、空気は、窒素(N2)や酸素(O2)などが混ざり合ってできています。

その他についても紹介すると、石油は様々な炭素数の炭化水素の混合物、ガソリンは炭素数4~10の炭化水素の混合物、岩石は様々な鉱物の混合物です。

岩石

化合物と混合物の違い

化合物と混合物は混同しやすい概念ですのでここで明確にしておきましょう。

化合物が、2種類以上の物質同士が化学反応を起こして別の物質になっているのに対して、混合物は2種類以上の物質が単純に混ざり合っているだけであるという違いがあります。

また、化合物化学式で書けるのに対して、混合物は化学式で書くことができません。

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