図解でわかる危険物取扱者講座

有機化合物 - 炭素を含む化合物

炭素

物質の種類」のページにて化合物について学びました。今回は、その発展形の話をします。

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有機化合物と無機化合物

化合物は、炭素の有無によって2つに分類できます。

すなわち、炭素を含む化合物である有機化合物(ゆうき かごうぶつ)と炭素を含まない化合物である無機化合物(むき かごうぶつ)です。

有機化合物と無機化合物

慣習的に、一酸化炭素や二酸化炭素、炭酸塩等の単純な炭素の化合物は、有機化合物に含まれないので、その点に注意してください。

なぜ炭素に注目するの?

生物体では、炭素を含む化合物が多く含まれるので、炭素を基準に見て化合物を区分しています。

有機化合物の分類

有機化合物の分類の仕方には、化学結合の仕方によるものや官能基(かんのうき)によるものがあります。それぞれ見ていきましょう。

炭素原子の結合による分類

炭素(C)原子が鎖状に結合している鎖式化合物(さしき かごうぶつ)と環状構造を含む環式化合物(かんしき かごうぶつ)に大別できます。

鎖式化合物と環式化合物

そして、炭素原子がすべて単結合で結合している飽和化合物(ほうわ かごうぶつ)と二重結合や三重結合を含む不飽和化合物(ふほうわ かごうぶつ)に分かれます。

単結合、二重結合、三重結合

この分類によって有機化合物の骨格が分かります。

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官能基による分類

有機化合物には、官能基と呼ばれる化合物群に特有の性質を与える原子団をもっています。

この分類法では、有機化合物の持つ性質が分かります。

官能基の名称 官能基 化合物群の名称 化合物の例
ヒドロキシル基 -OH アルコール メタノール CH3OH
フェノール類 フェノール C6H5OH
アルデヒド基 -CHO アルデヒド アセトアルデヒド CH3CHO
ケトン基 =CO ケトン アセトン CH3-CO-CH3
カルボキシル基 -COOH カルボン酸 酢酸 CH3COOH
ニトロ基 -NO2 ニトロ化合物 ニトロベンゼン C6H5NO2
ニトロソ基 -N=O ニトロソ化合物 ジニトロソペンタメチレンテトラミン
C5H10N6O2
アミノ基 -NH2 アミン アニリン C6H5NH2
アゾ基 -N=N- アゾ化合物 アゾビスイソブチロニトリル
[C(CH3)2CN]2N2
ジアゾ基 =N2 ジアゾ化合物 ジアゾジニトロフェノール C6H2N4O5
スルホ基 -SO3H スルホン酸 ベンゼンスルホン酸 C6H5SO3H
エーテル結合 -O- エーテル ジエチルエーテル C2H5-O-C2H5
エステル結合 -COO- エステル 酢酸エチル CH3-COO-C2H5
アルキル基 -CnH2n+1
または -R
アルキルアルミニウム

有機化合物の特徴

有機化合物には、次の様な特徴があります。

  • 炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)等の少数の元素を主成分とするが、化合物の種類は多い。

有機化合物の主成分

  • 燃えるものが多い。(第4類危険物の大部分は有機化合物です。)
  • 水に溶けるものは少ないが、有機溶媒に溶けるものは多い。
  • 融点、沸点が低いものが多い。
  • 非電解質のものが多い。

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