金属粉
金属粉(きんぞくふん)とは、金属の粉末のことです。粉状であるため、空気との接触面積が大きく、燃えやすい性質があります。
消防法における金属粉は、次の様に定義されています。
アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄及びマグネシウム以外の金属の粉で、目開きが150μmの網ふるいを50%以上通過するもの。ただし、銅粉(どうふん)やニッケル粉は除外される。
除外されている金属についても確認してみましょう。
「アルカリ金属とアルカリ土類金属」は第3類危険物で指定されています。また、鉄は「鉄粉」として、マグネシウムは そのまま「マグネシウム」として第2類危険物で指定されています。
これらの物品は、別のカテゴリで指定されているというわけですね。
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このページで紹介するのは、アルミニウム粉(アルミニウムふん)と亜鉛粉(あえんふん)です。
共に両性金属であるため、酸だけではなくアルカリにも反応して、可燃性の水素ガスを発生させるという危険な性質を持っています。
それぞれの物品の特徴、火災予防の方法、消火の方法は次のようになります。
アルミニウム粉 Al
アルミニウム粉(アルミニウムふん)は、塗料として用いられたり、指紋の検出に使われることがあります。
特徴
- 銀白色(ぎんはくしょく)の粉末である。
- 水より重い。(液比重2.7)
- 酸にもアルカリにも溶け、水素を発生する。(両性金属である。)
- 水と反応して、水素を発生する。
火災予防の方法
- 火気、水分、ハロゲン元素を避ける。
- 密栓して保存する。
消火の方法
- 乾燥砂や金属火災用粉末消火剤による窒息消火を行う。
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亜鉛粉 Zn
亜鉛粉(あえん ふん)は、アルミニウム粉と似た性質を持っていますが、危険性はやや低いです。
特徴
- 灰青色(はいせいしょく)の粉末である。
- 水より重い。(液比重7.1)
- 酸にもアルカリにも溶け、水素を発生する。(両性金属である。)
- 水と反応して、水素を発生する。
- 空気中の水分と反応して、水素を発生する。
- 空気中の水分やハロゲン元素により、自然発火する危険性がある。
- 燃焼すると、酸化亜鉛を生成する。
- 硫黄と混合したものは、加熱すると硫化亜鉛を生成する。
- 粉じん爆発の危険性がある。
- アルミニウム粉より危険性は低い。
火災予防の方法
- 火気、水分、ハロゲン元素を避ける。
- 密栓して保存する。
消火の方法
- 乾燥砂や金属火災用粉末消火剤による窒息消火を行う。
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